鍼灸治療

✔︎鍼灸の効果

 

1.鍼灸とは?

 鍼灸とは、鍼(はり)や灸(きゅう)で身体を刺激し、身体が本来もっている自然治癒力を高める中国発祥の伝統医学です。
 

 
 鍼は筋肉やツボの深部まで刺激を入れることが可能で、筋肉に直接刺すと血流改善などが期待できます。また交感神経の過緊張状態の抑制に働き、痛み、コリ、手足の冷えになどに有効とされております。

 は身体に熱を伝えて温めたり、微小な熱傷を起こし白血球などを増殖させ免疫力を上げたりすることが可能です。
 

2.当院の鍼灸対応疾患

当院では運動器疾患(特にスポーツ中の傷害や外傷)を得意としております。
 
運動器系:
関節炎・頚肩腕症候群頚椎捻挫後遺症五十肩・腱鞘炎・腰痛・むちうち・捻挫(リウマチ)
 
神経系:神経痛・頭痛
 
などの疾患に有効性があると言われております。
 
で記述しているものは医師の同意が得られれば鍼灸の保険治療が可能になります。
 

3.鍼灸のメカニズム

鍼灸の科学的な根拠のある4つのメカニズムを紹介いたします。
 
A) 体性-内臓(自律)反射:内蔵、自律神経のコントロールを行い調整する作用があります。
 
B) 軸索反射:鍼灸を施術した部位の血管を広げたり、血液の流れを良くしたり、痛みの物質を流すなどの作用を出します。
 
C) 鍼麻酔(鍼鎮痛):鍼灸の刺激は脳に伝わり、やがて鎮痛効果のある物質を分泌、また放出し、痛みを和らげます。
 
D) ゲートコントロール:鍼灸を施術することで、痛みを脳に伝える前段階で痛みの抑制をかけ、痛みを和らげます。
 

 A)体性-内臓反射

鍼を打つ事で内臓器や自律神経の興奮や抑制を行うことが出来ます。
内臓から身体への反応を内臓‐体性反射といい、心臓の痛みが肩に出る、胃の痛みが背中に出る、腎臓、膀胱の痛みが腰痛になって出る。などお聞きになったことはありませんか?皮膚と臓器の刺激は同じ脊髄で処理が行われるので、内臓の痛みを皮膚が勘違いしたり、皮膚の痛み(刺激)を内臓が勘違いしたりします。そのメカニズムを利用し、皮膚に鍼で刺激を入れ内臓器の調整を行うのが体性‐内臓反射です。

 
 

 B)軸索反射

鍼を打つと刺激を伝える神経は二つに分かれ、脳へ伝わる神経と、途中にある受容器(ポリモーダル受容器)に反応してUターンをする神経に分かれます。後者を軸索反射と言い、鍼の刺激を受けた皮膚へ伝達物質が分泌して、血管を広げたり、血液の流れを良くしてフレアと言う紅斑を起こしたり、痛み物質を流す作用があります。
そのため、筋肉痛や循環が悪くなって硬くなってしまった筋肉、肩こり、腰痛などに効果が期待できます。

 
 

 C)鍼麻酔(鍼鎮痛)

鍼灸の刺激が脳に痛みを和らげる指令を出します。皮膚から脊髄、そして上に上がり脳の視床下部、下垂体と言うホルモンを多く分泌するところに伝わります。そこでドーパミンやβ‐エンドルフィンなどの脳内麻薬物質を出して痛みを和らげます。
また、視床下部でのもう1つ枝分かれ(下行性痛覚抑制系)が脊髄まで戻ってきてセロトニンやノルアドレナリンを分泌して痛みを遮断します。効果が出るまでに時間はかかりますが、急性や慢性の痛みに関わらず幅広い症状に効果が期待できます。

 
 

 β‐エンドルフィン
(ベータエンドルフィン)
・モルヒネと同様の作用をもつ。
・鎮痛作用はモルヒネの約6.5倍
・幸福感、多幸感をもたらし、ストレスなどの侵害刺激に対して鎮痛、鎮静に働く。
・マラソンなどで長時間走り続けると気分が高揚してくる作用「ランナーズハイ」もβ‐エンドルフィンの分泌が関与していると言われている。
 

 D)ゲートコントロール

ゲートコントロールを分かりやすく言うと、みなさんも経験があると思いますが、「膝などを打撲したとき、手でさすっていたら痛みが緩和した。」などの経験はないでしょうか?
 
説明:ゲートコントロールとは痛みを脳に伝える刺激の量をあるゲートによってコントロールする方法です。
 
刺激の伝わり方には、痛みを伝える神経線維と鍼灸やマッサージなどの刺激を伝える神経線維の二種類が存在します。形も大きさも異なっていますがその両方の神経は脊髄にある細胞「膠様質」によって1つの神経となり、刺激を脳に伝達します。
 
この膠様質がゲートの役割をしており、痛みの刺激は鍼灸やマッサージの刺激が入ることで痛み神経に抑制をかけて痛みをコントロールすることができます。
そのため、急性外傷(捻挫、肉離れ)などに効果が期待できます。
 

✔︎スポーツ鍼灸

スポーツ関連の鍼灸についてはスポーツ鍼灸のページをご覧ください。
スポーツ鍼灸
 

 

✔︎ぎっくり腰

運動中に腰を無理にねじったり、中腰で物を持ち上げるような不用意な動作の瞬間に、この関節包、椎間板、靱帯、筋肉などの一部が引きのばされたり、断裂したりしておこります。突然はげしい痛みにおそわれ、身動きができなくなることもあります。
 
ぎっくり腰は急激に発症した腰痛の総称で、原因は様々あります。
腰椎椎間関節性腰痛腰椎の軟部組織のインピンジメント(挟み込み)、筋挫傷、筋・筋膜性腰痛、椎間板などの分類に分かれています。
 
椎間板ヘルニア・仙腸関節機能障害は腰椎捻挫とは異なる病態なため、同じ症状(急性腰痛症)であっても鑑別が必要なため、当院の鍼灸治療では検査によりこれらの分類を的確に鑑別し、鍼灸の適応のものに対し治療を行っていきます。

✔︎寝違え

朝、眼がさめた時に首の痛み、とくに運動時の痛みを感じることがあります。
このような状態をいわゆる「寝違え」と呼びます。寝違えの原因は不自然な姿勢で眠り続けた時に起こります。
通常は首に痛みが生じたり、違和感を覚えた場合には目が覚めたり、無意識のうちに首の姿勢を変えますが、疲労や睡眠不足あるいは泥酔状態で眠ってしまうと、これらの反応がなくなり、不自然な姿勢で寝続けてしまい寝違えが発生します。
 
寝違えは首から肩にかけての筋肉や関節などに急性の炎症が起きているために痛みや運動制限が生じると考えられています。
骨の異常ではありませんので、X線検査を受けても、首の骨に異常がみつかることはほとんどありません。
 
当院では、寝違えと頸椎椎間板ヘルニアなどとの鑑別、寝違えでも筋肉性の痛みなのか、関節性の痛みなのかを鑑別し鍼灸の効果があるものに対し鍼灸治療を行っていきます。